EDITION#025
Personal Beauty
vol.02
ちょうど制作に入る前にマスク着用の考え方が見直された。
当たり前の日常が当たり前ではなくなり、急速に小さくなった世界。
不穏な情勢が続く中、やっと少しの光が見えた気がする。
服は、身につけることでさまざまな感情を呼び覚ましてくれることがある。
着る人を導いてくれる服。
この時のメモを私は見返した。
世の中には強く逞しく自分を貫き、時代の流れや既成概念にとらわれず自由な思想をもって生涯を貫いた女性たちが世に沢山名を残してきた。
人として、女性としての自由の精神の喜び、そんな自信に満ちた女性を体現したアクティブな日常に戻るための服を彼女たちの生き方からインスピレーションし制作に向かった。
アメリカのモダニズムを牽引した20世紀の重要作家
Georgia O’keefe
生涯にわたって抽象への関心をいだき続け風景、花、そして動物の骨だけをテーマとして書き続けた彼女の残した名言にこうある。
リアリズムほど、リアルでないものはない
(Georgia O’keeffe 1887-1986年)
IIROTの服作りの根底にあるのは、日常のあらゆるシーンに適応し長く着続けることができるリアルクローズ。
女性の本質をその動きの中に見出し、ディテールやカッティングを追求してシルエットを作っていく。
人間の体は立体的で、人の体に生地が沿った時に心地よい曲線であって欲しい。
素材と向き合っていく中で、シワにならず高い速乾性と通気性を持つ機能的に優れた服を日常に取り入れる事で少しでも気持ちが軽快になる服を届けたい。
その人自身が持つパーソナルな美しさとは、精神的にも自立した自然体な女性である。
装いを通じてマインドやメッセージを表現できると信じている。